経験して初めてわかるギックリ腰の痛さ・辛さ。その渦中にある方・経験済みの方・2度と経験したくない方に、今できることや、起きてしまった直後の対策についてお伝えします。

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痛みと恐怖を伴う強い腰痛
腰痛の患者さまには、まあまあ動ける方から、動けない・何もできない・ゆっくりだったら何とか動ける・動き始めが動作困難である
また、歩くなどの軽度の動作中は良いが、座る椅子によっては立てなくなる など、さまざまな方がいらっしゃいます。
このような症状の方に、
「これは、ギックリ腰でしょうか?」
とよく聞かれます。
ギックリ腰の明確な定義はなく、その方の症状もこの後に改善するかもしれないし、悪化するかもしれない。そこが身体の難しいところです。
しかし、激痛で施術台の上で全く動けず、目には恐怖を帯び、脂汗をかく。
痛みから来る緊張感で呼吸も乱れる。
この状態では私も確信を持って
「ギックリ腰です」
とお答えします。
ギックリ腰になってしまったら – 2点の大事なポイント
まず、「全く動けない状態」の方が痛みをおして来院することを、私はお勧めしません。そこでムリをすることで悪化させてしまうからです。
この時に、1番目に大切なことは
「心身を休ませること」
極力楽な姿勢で過ごし、お仕事やストレスから離れてほしいと思います。もちろん、これが難しいケースも多々あります。ただ、ギックリ腰は、必ずしも重いものを抱えた結果なってしまった、というものではなく、心理的な要因が大きい場合が少なからずあるのです。
2番目に大切なことは
「身体を動かせる範囲で動かす」
これは患部ではなく手や足といった離れた場所でも結構です。痛みと恐怖で固まった身体には緊張しろという指令が脳から絶え間なく出ています。それに対して、
「これは出来る」
という安心感が大切になります。
ただ、1番目から2番目の流れには個人差がありますので、焦らず丁寧に取り組んでいただきたいです。ムリをしながらでは治りは遅いし、必要以上に身体を大事にしすぎてもダメ。返ってこじれてしまいます。
激痛時、いかに落ち着いて行動できるか
1と2のポイントを少しずつこなすことが出来てくると、痛みはあるけれど、気持ちが少し落ち着きます。動くことは困難だけれど、自分の状態を少し俯瞰できます。痛みの真っ只中にある時はピンときませんが、これが増幅してくると良いサイクルに入ったと私は思います。
そして、ゆっくりでも時間をかけて動けるようになる。そのような状態が施術を始めるベストタイミングと言えます。
初期の混乱時は、患者さまにとっても非常に辛い時期ですが、落ち着いて過ごして欲しいと思います。
今回のブログは院に来られる前にご自分でできること・セルフケアに焦点を当てていますが、もちろんその後には当院での施術があり、その患者さまと私の働きかけの相乗効果が、一番の結果をもたらすことを何度も経験しています。
ゆっくりでも時間をかければ動ける。そのような状態が施術を始める時期に理想かと思います。ただ、この時も「心身を休ませること」と「身体を動かせる範囲で動かす」の2つのポイントは、継続していただきたいことです。
そしてご来院いただいたら、施術台では、まず落ち着いてもらう。
ギックリ腰の症状は、痛みにとどまらず怒りや悲しみを伴います。
そんな時は、それを我慢するのではなく、出来るだけ吐き出してください。
患者さまには、いちばん楽な姿勢になっていただき、痛みの場所、動かせる範囲を確認し、神経への影響などの検査を行います。
この過程を出来るだけ丁寧に行うことが、症状の回復を促します。
私がプライマリーケアとして大切にしていることです。
最後に
今回は、ギックリ腰になった時にまず覚えていていただきたいこと、最初に取り組んでほしいことについてのお話でした。
次回は、当院でのギックリ腰の具体的な施術についてです。
BODYWORKS 麻布
田澤 大輔