前回のブログ記事に引き続き、当院での手術後のリハビリのご紹介です。
スポーツ中の過剰な負荷、転倒や衝突、突然の動作などにより腱板に負担がかかった結果、断裂することがあります。これが腱板断裂といわれるものです。
急で大きな負荷だけでなく、長期間にわたりスポーツや職業で過剰に使用することで、炎症やわずかな損傷が原因で断裂に至ることもあります。加齢によって腱板の弾力性や強度が低下し、断裂のリスクが高まることが考えられます。
こちらの患者さまは、テニスが趣味で長年プレイされていますが、10年ほど前にテニス中に腱板断裂を経験されました。その後手術を受けられ、定期的にメンテナンスのために来院されています。
1. 手術後のリハビリにおけるマッサージの有効性
マッサージは筋肉の緊張を和らげ、血流を改善する効果があります。特に腱板断裂などの手術後のリハビリにおいて、手術部位周辺の筋肉の緊張やこわばりを解消し、柔軟性を向上させるのに役立ちます。
また、筋膜の状態も把握し、場合によってはカッピングや手技で、ホホバオイルを使った筋膜リリースをおこないます。
2. 手術後のリハビリにおける鍼の有効性
鍼はマッサージと同様に、筋肉の緊張を緩和し、血流を改善するとともに、炎症や痛みの軽減にも有効です。
また、電気鍼(パルス)により、通常の鍼より深部の緊張を緩めることが可能です。
術後の傷跡が十分に癒着している段階でのタイミングを見計いますので、問診や触診で詳しくお伺いします。
3. 手術後のリハビリにおける軽度の運動の有効性
これらの施術に加えて、当院でご指導する軽い運動をできる範囲でご自宅で実行していただくことにより、手術によって傷ついたり弱った筋肉や組織を回復させ、術後に制限された関節の可動域と柔軟性を取り戻します。
術後『過度』でも『過保護』でもないリハビリテーションの重要性
早く回復したいと思うあまり、早すぎるタイミングでのリハビリや、強すぎる運動をおこなうことで、組織や関節に負担をかけ、回復を遅らせてしまうことがあります。
逆に、患部の過保護なケアも、十分な運動や活動を妨げ、筋力や機能の回復を遅らせてしまいます。筋肉の萎縮や関節の固定化につながってしまいます。
患者さまの個別の状態や手術の内容に応じてプランされ、適切なタイミングと指導のもとに行われるリハビリテーションは術後のお身体の回復に不可欠です。
手術やその後の回復期間は、患者さまにとって精神的にも大きな負担ですが、患者さまご自身が積極的にリハビリテーションを行うことにより、回復への意欲も高まります。私が目指す、患者さまと二人三脚でゴールを目指す回復です。
こちらの患者さまは、術後、以前のような日常生活を違和感なく送れるのに6ヶ月間かかりましたが、その後順調に回復され、1年後にはテニスを再び楽しまれるようになりました。
ご相談ください。
BODYWORKS 麻布
田澤 大輔
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