高校生の頃から肩こりに悩まされているMさん。通学中に片方の肩にカバンをかけたり、バイオリンを弾く際あごを楽器に添える姿勢が原因だと感じていました。会社員になってからは、日々のコンピューター作業が影響し、肩こりに加えて首もこり始め、ついには寝違えたように首を全く動かせない状態になってしまいました。
初めて当院に来られた際、Mさんは身体を正面を向けたまま、頭を左右に振り返ることができないという、全く可動域のない状態でした。ご本人は、「背中は鉄板のように硬く、首には太い鉄のパイプが入っているように感じる」、と話していました。
鍼治療に抵抗があるMさんには、マッサージを中心に施術を行いました。
筋肉の緊張緩和
肩や首の筋肉は、ストレスや姿勢の悪さによって特に緊張しやすい箇所です。そして緊張や疲労は、肩こりや首こりという症状で現れます。筋肉マッサージは、緊張した筋肉をほぐし柔らかくするの非常に有効です。全体の筋肉全体の様子を把握し、全体のマッサージでリラックスさせた状態で、さらにこりの原因となっている箇所をピンポイントでマッサージしていきます。
血流の改善
リンパマッサージには血流をうながす効果があります。滞った血行が良くなることで、酸素や栄養素が筋肉にスムーズに供給され、疲労物質が排出されやすくなります。
指圧による深層筋肉の刺激
指圧は、鍼治療においても重要な経穴に圧を加えることで、筋肉の深層部まで刺激します。これにより筋肉組織の緊張が緩和され、血液やリンパの流れも促進されます。筋肉マッサージとリンパマッサージに指圧を加えることにより、相乗効果があります。
当初、全く可動域がなかったMさんは、3日おきに通院され、徐々に可動域が広がるにつれてに1週間に一度、今ではメンテナンスとして月に一度いらっしゃいます。
コンピューター作業が多い環境では、姿勢が悪くなりやすく、筋肉に負担がかかります。Mさんにお話を伺ったところ、会社ではコンピューターが斜めの位置にあり、首を常にそちらに向けているとのことでした。正面を0度とすると、左に20度程度の、本当にわずかな位置のズレですが、こうした小さな負担が日々積み重なることで肩こりや首こりの原因にります。Mさんも小さなサインを無視し続けた結果、寝違えたように首を全く動かせない、という極端な症状が出てしまいました。
コンピューターの位置調整
座った位置の真正面に置く。スペースの関係で真正面に置けない場合は、頭だけでなく身体全体をコンピューターに向ける
コンピューター画面を目の高さに調整する。見下げたり見上げたりしない目線の位置に調整するため、箱や本などを活用する
肩こりや首こりに悩む方にとって、定期的なマッサージは筋肉の緊張をほぐし、血流を改善し、ストレスを軽減するのに非常に効果的です。ストレスは筋肉の緊張を引き起こす一因となりますが、マッサージを通じて心身ともにリラックスしリフレッシュすることで、ストレスを軽減できます。
姿勢の改善や日常生活での注意点と併せて、定期的なマッサージを取り入れることで、長期的な改善が見込めます。
BODYWORKS 麻布
田澤 大輔
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